レスキューナイフ

アウトドアの趣味ではナイフを携行する機会が多いと思いますが、カヤックフィッシングも同じです。
魚を締めて捌いてとナイフが活躍しますが、今回のナイフの話はもっと大事な命に関わることです。

タイトルにもある通りアクシデントがあったときに助かるためのナイフで、”ナイフを持っているからなんでもよい”というわけにはいかないんですね。

携帯必須といえるこのナイフ、果たしてどんなものを選べばよいのでしょうか。
私も買うときにあれこれ悩んで苦労した覚えがあるので、ここにまとめてみました。

カヤックと荷物をリーシュコードで結ぶ

シットオントップはオープンデッキなので、転覆するとデッキ上の荷物が落ちてしまいます。
これを防ぐためにリーシュコードを使います。

リーシュコードはゴムなど伸縮性のあるヒモで出来ていて、端はカラビナや面ファスナーなどで荷物に固定できるようになっています。
荷物と体やカヤックをリーシュコードで繋ぎ、転覆などの際に荷物が流出してしまうトラブルを防ぐわけです。

例えば、釣りに夢中になって気がついたらパドルがない!
見渡すと遙かかなたに流。
沈したらロッドや道具が全に沈!

なんてことになったら絶望的ですよね。
特にパドルはカヤックを進める大事なもの。リーシュコードを付けておくのは必須です。

リーシュコードが凶器になる?

前段で安全安心のためにリーシュコードを付けましょうと言ったばかりですが、カヤックが転覆した際には一転して凶器に変わることがあります。

落水時にコードが体に絡み、身動きがとれなくなる危険があるのです。

カヤックに再乗艇しようとしても体が引っ張られて動かずジタバタ、しばらくしてリーシュコードが絡んでいるのに気がついたりします。

波が立つ海で落水などすると、自分では気づかないうちに興奮状態になり現状把握ができないのです。

このときリーシュコードを切るのに必要なのがレスキューナイフです。他にも釣り糸やバックルなど体に絡んでいるものを切断できます。
必ずPFDに装備してください。

装備場所は意識しなくてもサッと取り出せる位置にします。ポケットの奥ではダメです。右利きであれば左肩など。落水でパニックになることもありえるので、とにかくパッと手に取れるように装備してください。

そして、落水の衝撃で取れたり抜けないように。ナイフが自分に刺さったり、水中に沈んでいってしまっては本末転倒です。

フォールディングナイフとシースナイフ

レスキューナイフには フォールディング(折り畳み式)のものと、そうでないシース(カバー)が付いたものがあります。

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フォールディングナイフ

フォールディングナイフは折り畳みができるタイプのナイフで、ブレードを柄から回転して出して使用します。

刃先が柄の中に入るので、柄がカバーの役割をしてコンパクトに携帯できPFDに付けても邪魔になりにくいです。
シース(ナイフのカバー)を紛失することもありません。

ブレードが衝撃で出てしまうのを防ぐロックが付いているものを選んでください。

ブレードの溝に爪を引っかけて開けるタイプのものはお勧めしません。水遊びでは爪がふやけます。グローブをすることもあるでしょう。
片手で簡単にブレードが出せるものを選びましょう。

フォールディングナイフは仕組みが複雑なので、いざというときに開かないことがないよう、開閉部の砂噛みやサビなどをチェックを怠りなく。

シースナイフ(カバー付きナイフ)

ブレードと柄が固定された折り畳み式でないナイフです。シンプルな構造なので頑丈でトラブルが少ないです。

ブレードを収納するシースというカバーが付いています。緊急時は持ち手を掴み抜くことで使用します。

折り畳み式ほどコンパクトではないですが、サイズの小さいものを選べばPFDの取り付けは充分可能です。そして抜けばそのまま使えるのは緊急時には利点になります。

普段は抜けず、いざというときにすぐに抜けるようなシースのものを選びましょう。

シースに塩水や汚れがたまったまま放置したりするとサビの進行が早いので注意します。

最低限のレスキューナイフ選び

錆びにくい素材

水辺で使用するものなので錆びづらいこと。特に海水域がフィールドの方は要注意。間違っても100円均一のナイフなど用いないこと。下手すると水に漬けて家に帰るころには錆びています。

素材にステンレスとあっても安心できません。ステンレスもピンキリです。高いナイフは価格相応の良い素材を使っています。

片手で刃を出せる

刃を出すのに両手を使う物はお勧めしません。不意の落水で混乱している中で使う物ですし片手が負傷している可能性もあります。なるべく直感的に使える物を選ぶのが良いと思います。
できればグローブをしていても刃が出せるものがよいですが、携帯するには大きさも大事ですのでよく考えて選んでください。

持ち手の大きさ

持ち手が小さすぎたり大きすぎるものはダメです。力が入らなかったり不意に落としてしまいます。

刃渡りが長すぎる

刃渡りが20cm以上もあるようなサバイバルナイフのように刃渡りが長い方が切りやすいと思われるかもしれませんが、使うのは身動きが取りづらい水中です。

体とロープの間に刃を入れて切断する状況を考えると、逆に扱いにくさの方が際立ってしまいます。自分を刺しては元も子もないです。

またPFDに装着したときに出っ張りが大きくなり再乗艇の邪魔になります。

ストラップが付けられるもの

ストラップの付いていないナイフを手から離してしまったらそのまま水の底です。脱落防止のストラップが付けられる穴が開いているものが良いです。

買った後にDIYでストラップを付けられるなら問題ないです。PFDとナイフを繋いでおきましょう。

ツールナイフ(十徳ナイフ)はお勧めしません

ドライバーや栓抜きなど便利ツールが複数、柄に仕組まれたものです。Victorinox(ビクトリノックス)などのメーカーが有名ですよね。

レスキューナイフは緊急時に使うものなので使うツールを選んでいる時間がありません。仕組みも複雑なのでサビも心配ですよね。という理由でおすすめできません。

レスキューナイフを見てみよう

レスキューナイフと呼ばれるナイフは普通のナイフと比べていくつか特徴があります。一つづつ見ていきましょう。

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刃先

刃先は丸くなっていて、慌てた状況でも自分を傷つけてしまわないようになっています。
また他の人の救助でも相手を傷つけるリスクが減ります。

セレーション

ブレードはストレートと言う、よく見るまっすぐな刃と、セレーションというギザギザの波のような形の刃が付いています。
ブレードの一部分だけのものや全体がセレーションのものもあります。

濡れたロープなどは滑りやすく切きりづらいですが、セレーションの部分で切るとブレードによく食い込み、楽に切ることができます。
ちなみにセレーションの刃研ぎですが、専用の研ぎ器が売られています。

ガットフック

持ち手の尻の部分がえぐれていてガットフックが付いています。狩猟用のナイフに付いていることが多く、動物の健を切るためのものです。

レスキューナイフの場合は、シートベルトのような帯状の生地を切るために使います。

そして最後尾には、誤って手を離しても紛失しないようにストラップホールが付いていて、ストラップを取り付けることが出来ます。

オープン時の指かけ

ナイフを握ったまま、親指の腹で指かけを持ち上げると片手でもオープンできる仕組みです。

ブレードの柄の間にバネが仕込まれているので、途中まで広げるとシャキッと最後まで広がります。

ストラップホール

PFDとナイフは必ず繋いでおきます。

ネックナイフという選択

ナイフを身につける方法では、ポケットに入れたりベルトに付けて携行するのは一般的ですが、ネックナイフと言って首にボールチェーンなどでぶら下げるタイプのものがあったりします。

首にかけられる大きさと重さなので、PFDに付けるのにも都合がよく、レスキューナイフとしての商品も出ています。

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ネックナイフの例。
ガングリップタイプの持ち手になっています。
グリップを握った状態で、シースのロックを親指で押し込みながら引き抜くことでブレードを出す仕組みです。

neckknife02ブレードを引き抜いたあとは、人差し指を柄の付け根の穴にかけて握りこむことでしっかりと持つことが出来ます。

一般的なナイフのように、手を円筒にして握る形よりも力が入りやすく扱いやすいです。
その代わりに持ち方が限定される欠点もあります。
私が使っているレスキューナイフはこのタイプを使用しています。

 レスキューナイフのメンテナンス

レスキューナイフは緊急時に使うので普段触ることが少ないです。ところが使うときになって能力を発揮できないと意味が無いという、「使う機会はないけどいざというときに使えないと困る」という相反するものです。
なので意図的に触れメンテナンスをする機会を作ることが大事です。

釣行後にはPFDから取り出し洗い、よく乾燥してオイルを付けておきます。そして可動部があるものは動かしてみます。シーズの中に汚れがないかもチェックしておきます。

釣行後にはタックルなどもメンテすると思いますので、一緒にメンテする習慣にするとよいと思います。

 知っておきたい銃刀法 ~ ナイフについて ~

改正された銃刀法が平成21年1月5日より施行されています。
これにより以前から使っていたナイフが、持っているだけで処罰される可能性があります。

以前からの銃刀法を含めて、ごく大ざっぱにまとめてみます。

  • 刃渡り15cm以上の刃物を所持してはダメ。
    (仕事使用はOK)
  • 刃渡り6cm以上の刃物は持ち歩くのはダメ。
    (キャンプで使うなど使用目的がはっきりしてればOK)
  • 刃渡り5.5cm以上の「」は所持してはダメ。

所持がダメの意味は、家に置いているだけでアウトということです。
使用目的ですが、町中で襲われたときの護身用というのはアウトです。

ほかには、刃渡り8cm以下の先の丸いハサミは大丈夫など例外も事細かにあります。

」ってなんだと思いますが、これは両刃で左右均整の形状をした刃物を言います。ダガーとも言うようです。

dagger

こんな形状のものです。
片方の刃が一部でもあればダメ。
刃がうねってたりギザギザでもダメです。
左右均等は、左右の形がだいたい同じならダメと捉えた方が良いようです。

平成21年1月5日に銃刀法が改正され、このような刃物は所持することが禁止になりました。

政府インターネットテレビ
変わった!変わった?銃刀法改正〜規制強化されました


すでにお持ちの方は、切っ先をサンダーなどで丸めて法律上大丈夫なようにしてしまうのも一つの手だと思います。

ちなみにこんな商品も販売されています。

mizukatana磯で貝を取るのに使う水刀です。
両刃ですが、先が尖っていないので法律に引っかかりません。

 何を選んだら良いか分からない人は、「レスキューナイフ」や「ダイバーナイフ」で検索してみればいろいろな商品が出てきます。それなりの専用品が安心できると思います。

現在販売されているものは銃刀法にはかからない物と思いますが、心配な方はお店に聞いてみて下さい。

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